【投稿者:ユキオ(仮名)/40代・男性・東京都】
分かりました。以下に、指定されたテーマに沿った体験談を書きます。
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あのときのことを思い出すと、胸が締め付けられる。まるで昨日のことのように、鮮明に心に焼き付いている体験だからだ。その日、俺は打ちのめされた。信じていた友情が崩れ去り、心の中に大きな穴が開いたまま、立ち直れずにいる。
俺たちは幼なじみだった。隣に住んでいるAとは、幼稚園の頃からずっと同じ時間を過ごしてきた。小学校、中学校
[member]、高校に進むにつれて、何をするにも一緒だった。勉強も、遊びも、スポーツも、全部二人で乗り越えてきた。だからこそ、あいつはずっと俺の「親友」だった。
大学生になっても、その関係は続くと信じて疑わなかった。別々の大学に進学したけれど、帰省するたびに顔を合わせ、まるで何事もなかったかのように話し合えた。家族よりも信頼できる存在だった。そんな彼に裏切られるなんて、夢にも思わなかった。
事件が起こったのは、ある夏の日のことだった。俺は久しぶりに実家に帰省していて、Aに会いたいと思っていた。久しぶりの再会に胸を膨らませつつも、少し不安がよぎったのは、何かが変わった気がしたからだ。
その不安は的中した。彼の振る舞いはどこかよそよそしく、いつもの笑顔もぎこちなく感じられた。最初は疲れているのかと思ったが、しばらくして事の重大さに気付いた。彼は、俺のことを避けている。本当の理由は後から知ったけど、そのときは何が起きているのか理解できなかった。
後日、共通の友人から真相を聞いたとき、自分の耳を疑った。俺の家族に対する侮辱を、彼が陰で広めていたということだった。「◯◯家は良い顔をしているが、裏では偽善者だ」と、彼が言って回っていたという。それをいつしか誰もが信じるようになり、俺の目に見えないところで彼の言葉が広まっていた。
その瞬間、信頼していたものが音を立てて崩れ去るのを感じた。この上なく愛おしかった友情が、ぬかるみに投げ捨てられたようだった。なぜ、どうしてそんなことを?問いかけたい気持ちはあったが、どうしてもAに直接聞く勇気が湧かなかった。
それからというもの、俺は孤立感に苛まれた。周囲の目が気になって、外に出るのが怖くなった。信じていた友情が終わっただけではなく、あまりにも信じ難い結末が、俺の心を劈く。
彼は「親友」だった。確かに俺は、心のどこかで何かが甘かったかもしれない。だが、その甘さをあいつがこうして利用することになるなんて、思いもしなかった。悔しさと悲しさが混じり合い、どこにもぶつけることができない感情が渦巻いている。
仲直りなんて考えられない。裏切られた事実が、俺の心を深く切り裂いて、まだ血が滲み出ている。信じるという行為が、こんなにも恐ろしいものだったと思い知らされた。そして、信じた相手が隣人であっても裏切り得るという厳しい現実に直面している。
俺は今、一人でその痛みに耐えている。終わりの見えない悲しみの渦の中にいる状況で、何も進展しない現実だけが残っている。あんなに信じていたものが跡形もなくなくなり、ただただ悲しむことしかできない。どれだけ時間が経てば、この痛みが癒えるのか、それさえも分からない。
この体験が俺に与えた影響は計り知れないし、今も尚、その重みに押しつぶされそうになる。友達って何だろう?隣人への信頼はどうしてこんなにも脆いのか?考えれば考えるほど、答えが見つからない。きっと、答えなんてないのかもしれない。ただ、悲しみの中に立ち尽くすしかないのだと、今は思うしかない。[/member]