【投稿者:ユーキ(仮名)/50代・男性・沖縄県】
昨年のことになるが、僕の人生において、心の深淵に落ちるような体験をした。思い返すだけで心が締め付けられるようで、忘れようとしてもどうしても振り払えない。誰にも話せず、ただただ自分の中に抱え込んでいたものを、少しでも軽くするために、ここに記してみようと思う。
僕には、かつて愛してやまない女性がいた。彼女と出会った時、本当に運命の相手だと感じた。彼女はいつも笑顔で、周りの人々を和ませる存在だった。共
[member]に過ごす時間は何よりも貴重で、いつも彼女のことを考えていた。しかし、それが次第に僕を追い詰める檻へと変わっていくなんて夢にも思わなかった。
ある日、仕事で精神的に疲弊して帰宅した時、僕は何気なく彼女の携帯を手に取った。彼女に何か隠すような素振りは一切なく、ただ、その一瞬の気まぐれが、今思えば全ての始まりだった。画面に映し出されたメッセージを見た時、心が一気に凍りついた。そこには彼女が他の男性と長らく連絡を取り合っていた痕跡があった。彼女とその男との間には隠された関係があったのだ。
彼女を信じ切っていた僕にとって、その衝撃は計り知れないものだった。胸の中で何かが崩れ去るような感覚を覚えた。その瞬間から、心に見えない鎖が絡みついたのを感じた。どうして自分がこんな目に遭わなければならないのか、何がいけなかったのか、一晩中、出口のない問いを自分に浴びせ続けた。今では、それが正解のない問いだと理解しても、その時の僕はどうすることもできなかった。
疑念は次第に大きくなり、彼女と向き合うことすら辛くなった。それでも何か一つでも信じることができたなら、もう少し違っていたのかもしれない。でもその時の僕は何もかもが信じられなくなり、彼女に問い詰めることすらできずにいたんだ。
時間が経つにつれて心の重荷は増していくばかりで、次第に物事すべてに喜びを感じられなくなっていた。そして、最後には彼女を問い詰めた。この関係はどうにもならないと言われた時、目の前が真っ暗になった。愛した人と、自分自身をどうしても解き放てない心の檻に囚われ、自分の無力さを痛感した。
彼女と別れ、それからというもの、心にぽっかりと穴が空いたようだった。周りはいつもと変わることなく進んでいくのに、僕だけが取り残されたような感覚だった。あの日々の幸せが何だったのか、今もわからず、ただ虚しさだけが残る。誰もが歩んでいる道に自分だけが歩けずにいるように感じることさえある。
いくら考えても、彼女がなぜあのようなことをしたのか、その心の内は知りようがない。自分だけを責めても答えは見つからないとわかっているが、その悲しみと怒りから解放されることはなかった。それ以来、誰かを信じることができず、新しい関係を築くこともままならない。心はまだあの檻の中にあり、いつまでも晴れることのない曇り空のようだ。
こんなにも脆く、頼りない自分自身がいることを、ただただ悲しむばかりだ。いつかこの苦しみが和らぎ、心が癒える日が来ることを願うしかないのかもしれないが、その希望さえもどこか遠く感じる。この現実ほど残酷なものはない。[/member]