【投稿者:しずく(仮名)/50代・女性・福井県】
私の人生の中で忘れられない出来事、それは、愛の嘘に傷つけられたあの日のことです。あまりに突然で、あまりに非情で、時間がたっても傷は深く残ったまま。今思い返しても、心の中が締め付けられるような思いです。
彼と出会ったのは、共通の友達の紹介でした。最初はただの知り合いでしたが、時間を重ねるごとに彼の優しさや真面目さに触れ、次第に恋心が芽生えていきました。彼も私に対して好意を示してくれて、付き合うよう
[member]になるまでにはそう時間はかかりませんでした。彼と一緒にいると、いつも安心感に包まれ、本当に幸せでした。彼は私の人生の全てを理解してくれているような気がして、本当に信頼していました。
しかし、ある日、私たちの幸せは粉々に引き裂かれました。彼の態度が急に冷たくなり、一緒に過ごす時間が減っていきました。私は何が起こったのか理解できず不安になり、彼に何度も質問しましたが、彼はそのたびに「疲れているだけ」や「仕事が忙しい」と答えるばかりでした。でも、私の胸騒ぎは次第に大きくなっていきました。そして、ある晩、携帯に知らない女性からのメッセージを見つけてしまいました。内容はあまりにも露骨で、彼との関係を示唆するものでした。
信じたくなかった。でも、心のどこかで現実を受け入れるしかない状況だと理解していました。私は証拠が欲しくて、彼に何の前触れもなく尋ねました。彼は最初はごまかそうとしましたが、ついには一瞬、彼の顔に浮かんだ動揺が、すべてを物語っていました。彼は他の女性と関係を持っていました。それも、私と出会う前から続けていた関係だと白状しました。
彼の言葉を聞くたびに、心が千切れていくように感じました。どうしてもっと早く気づかなかったのかという自責の念、信じていた彼からの裏切りがもたらす絶望感、自分という存在がどれだけ無価値なのかと嘲笑するような自己嫌悪で、私はもう何も感じる余力がないほどに打ちのめされていました。
それからの毎日は、まるで仮面のように過ごしていました。出勤しても、友達と会っても、何もかもが白々しく感じられ、まるで私の周りだけ色彩が失われたかのようでした。毎晩、寝ようとして目を閉じるたびに、彼の冷ややかな目と、その裏で嘲笑うような視線が浮かんできて眠れませんでした。
相談できる友人はいましたが、こんな酷い裏切りを受けたと口にすることもできず、ただ心に抑え込んでいました。誰かに話せるような、単なる失恋ではなかったのです。信じた人に突きつけられた裏切りは、私の心を破壊してしまいました。
いまだに、心のどこかで彼に対する愛情が消えていないことにも自己嫌悪を感じます。忘れたい、消えたい、なのにできない。でも、この辛さもまた私の一部、と受け入れなくてはいけないのでしょうか。何故私がこんな目に遭わなきゃいけなかったのか、どうして気づけなかったのか。不条理さに苛まれながら、ただ黙って涙を流す日々が続いています。
毎日がただただ辛くて、終わりが見えません。どこに道があるのかすらわからない。ただ、悲しみの中にひたすら佇んでいる状態。抜け出したいと願うたび、愛した日々を思い出してはさらに深く沈んでしまうのです。どうしたらここから逃れられるのか。それが今もまだ見えないままでいます。[/member]