「笑顔の裏に潜む職場の闇:働き続けた先に見たもの」

【投稿者:アキラ(仮名)/20代・男性・奈良県】

「ああ、またか」。ある日、会社のデスクに座った瞬間に、僕はその重たい気持ちに押しつぶされそうになった。自分の職場は、表向きはチームワークが良くて、みんな笑顔で仕事に取り組んでいる場所だ。でも、その笑顔の裏には、決して他人には見せられない闇が潜んでいる。そして、僕はそこにまともに巻き込まれてしまった。

僕はこの会社に入ったとき、自分のキャリアを築きたいと夢見ていた。希望に溢れていたし、上司からの期
[member]待もされていた。業界的にも成長が見込めるだけに、仕事ひとつひとつに対する責任感も感じていた。でも、それは長くは続かなかった。

ある日、プロジェクトの締切がだんだんと近づいてくる中のできごとだ。上司は「チームが一丸となってやり遂げる」という名目で、連日のように遅くまでの残業を課してきた。でも、結果を出しているのは僕だけ。他のメンバーは、何かと理由をつけて早めに帰ったりしていた。結局、残業を続けるのは僕ばかりだった。

上司にも相談した。でも、返ってきたのは「君がキャリアアップのために経験を積むチャンスだ」という言葉。確かに、上司の意図は分からなくもないが、一人に負担が集中する職場環境が健全だとは思えなかった。でも、周囲にそれを話せば「愚痴ばかり言う奴」として扱われる始末。

そして、心の叫びは増していく。「仕事を続けられるだろうか?」、「なぜ、こんなにも頑張っているのに評価されないのか?」、そんな問いが夜ごと頭の中を渦巻いて、眠れない日々が続いた。

業務をこなしている最中、自分でも気が付かないうちに無意識に涙がこぼれ落ちていた時もあった。チームの誰にも相談できず、ただ一人で抱え込んでいくばかり。「こんなのはあまりにも酷い」。そう思っても出口が見つからない。

悩み過ぎて食事を取るのも嫌になり、体重も次第に落ちていく。そしてとうとう、体調を崩して会社に行けなくなってしまった。出社できない自分への苛立ちと、会社への嫌悪感が混ざって自己嫌悪に。やがて、現実逃避をする以外に方法がないような心境に囚われた。

会社は一切、僕の状況を気にかけようとはしなかった。「○○君の力が必要なんだよ」などと言いながらも、実際には「誰かが休んでも代わりはいくらでもいる」という薄情さが透けて見えた。

そうして辿り着いたのは、自分はこの職場で大切にはされていないし、労働が報われることもないという事実。ただ、「仕事のために生きている」という名の中で、生活の一切を犠牲にする毎日だけが続く。

休む勇気も持てず、転職する気力も失い、何もかもががんじがらめ。自由を感じることもなく、ただただ繰り返すように出社し続ける。

これが僕を待ち受ける現実なのか。何も変わることのない職場、光の見えない毎日…。現状を変える意欲も薄れていくばかりで、心の奥底から誰かの助けを叫んでいる。でも、もうその声を聞いてくれる人もいない。僕は今日も、笑顔の裏の職場の闇に飲み込まれていく。[/member]

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