【投稿者:サクラ(仮名)/20代・女性・宮城県】
愛が壊れた瞬間を今でも鮮明に覚えています。それは私の人生における最も辛い出来事でした。そして、その心の瓦礫を拾い集めることがどれほど困難なのか、生きるたびに感じます。
あの日、彼といつものように会う約束をしていました。彼の笑顔が私にとっての安心であり、日常の安らぎでした。でも、私たちの関係にひびが入っていることには気づいていました。私自身も言いたいことを言えずにごまかしていたのだと思います。そし
[member]て、彼も何かを我慢しているように見えました。そんな微妙なズレが少しずつ大きくなっていくのを、私は見て見ぬふりをしていました。
いつもよりも少し冷たい風が吹いていた冬の日。彼と会った瞬間、彼の目がどこか他の場所を見ているようでした。その視線に気付きながらも、私は笑顔で話しかけました。だけど、その日の彼は違ったんです。いつもの優しさは影をひそめ、目が合うたびに、避けられているような気がしました。
そんな異変を感じつつも、普段通りを心がけて一日を過ごしていました。そして、その日の夜、彼は私にとって最も残酷な一言を告げました。「もう僕たちは続けられない、別れよう」。胸が締め付けられる思いでした。顔は笑って、でも心は全く動かない。それはまるで夢の中で、目覚めて欲しいと願っているけど、夢ではないと気づかされる瞬間でもありました。
彼のその言葉は、私の心を一気にバラバラにしました。はっきりとした理由も聞かず、ただその場を立ち去る彼の背中を見送るしかありませんでした。残された私はその場に立ち尽くし、信じられない現実にただ涙が溢れ出すばかりでした。心の中には、「なんで?」という問いが繰り返し投げかけられて、それは自分自身すらも傷つけるものでした。
それからの私は、日々がどうしようもなく辛かった。朝起きるたびに、彼がもう隣にいないこと、もう戻っては来ない現実を目の当たりにします。友人たちは心配して声をかけてくれました。でも、彼のいない生活には何の意味も見いだせませんでした。誰もが理解してくれているかのように振る舞ってはくれるものの、結局はその苦しみを背負うのは私一人だけ。そんな孤独感に押しつぶされそうでした。
周りは日常を続けていくのに、私だけが立ち止まったままでした。笑顔を作ることすら、心からできませんでした。笑っている自分が偽りに思えて、偽物の自分を生きているようでした。彼なしの未来なんて、想像もつかないし、考えるのも億劫でした。
「早く元気になってね」という温かい言葉をもらう度に、それすらも重荷に感じました。「立ち直らなきゃ」と焦る気持ちと、「立ち直れない」現実の板挟み。愛が壊れたことで失ったものは、時間とともに回復するのか。そんなことを考えること自体が、余計に私を苦しめました。
そして今でも、その心の傷は消えません。一瞬でも彼のことを思い出すだけで、胸が痛みます。隣に彼がいた、あの幸福だった時のことを。でももう、それは手に届かない。時間が経っても、その事実だけは変わりません。
この悲しみは本当に乗り越えられるんでしょうか。そんなことを問いかけながら、今日もただ震える声で心の叫びを抑え、涙を隠し、生きています。きっとこの先も、心の瓦礫を抱えたままで。[/member]