「鏡に映る知らない自分:偽りの笑顔が壊れる瞬間」

【投稿者:あおい(仮名)/30代・女性・山口県】

私は、ずっと「幸せな自分」を演じるのが得意でした。表向きにはニコニコと笑って、誰にでも好かれるように振る舞うのが習慣になっていました。周りから「明るくて素敵」と言われることで、本当の自分を隠すことができると信じていたんです。でも、ある日鏡を見たとき、そこに映っていたのは見知らぬ私で…。その瞬間が、私の心から、偽りの笑顔が剥がれ落ちる瞬間でもありました。

私の人生は、表面上は順調だったと思います。
[member]立派な仕事をして、素晴らしい友人にも恵まれていました。でも、心の中では深い孤独感と虚しさが渦巻いていました。どれだけ周りから「成功している」とみなされても、自分自身には価値がないと感じるばかりでした。そんな感情を紛らわせるために、本当の感情を押し殺し、笑顔を貼り付け続けました。笑顔は私にとって、防護服のようなものでした。

あるとき、私はふと、鏡の中の自分と目が合いました。そこには、私が普段人に見せている「楽しい私」はいませんでした。代わりに、目尻に小さな皺が刻まれて、疲れ果てたような表情をした女性が立っていました。そう、これが本当の私でした。悔しさと情けなさで、涙が止まりませんでした。

その瞬間、心の奥底から声が聞こえました。「もう無理をしないで」と。その声は私の本当の声だったのかもしれません。好きじゃない場所で、好きじゃない人と過ごし、好きじゃない自分を演じ続けることに疲れ切っていたのです。自分を大切にしてこなかったつけが、今になって一気に噴き出しているように感じました。

鏡の前で顔を覆って泣く私を、誰も慰めたりはしません。私は、ずっと周りに「大丈夫だ」と言い過ぎて、誰も本当の弱さに気づいていないからです。あの偽りの笑顔は、私を守りもするけれど、同時に助けを叫ぶことも難しくさせていました。

周りの人に相談することもできず、心の負担をただ抱え続けるばかりで、どうにもならない孤独の中に立ち尽くしていました。まるで自分だけがこの世に置いてきぼりにされたような気分です。この先をどうやって生きていけばいいのか、わかりません。

私はただ、こうして一人、静かに涙を流すしかできない。どれだけ叫んでも、その声が誰かに届くわけではありません。鏡の中の孤独な自分に寄り添う術もなく、自分の周りに同情や支えの手も感じられません。周囲から「いつも元気だ」と思われる私は、本当は誰よりも不安定で、自分の居場所を探し続ける哀れな存在なのです。

こんな中で、ふとした瞬間に湧き出すのは、「どうして自分ばかりがこんなに苦しまねばならないのか」という疑問と諦めの感情です。いくら頑張っても、心の空洞は埋まらない。私はただ、鏡を見ないように手探りで日々を乗り越え、いつか本当に笑える日を夢見て、儚く暮らすばかりです。今、私はただただ、この重くてどうしようもない現実を、嘆き悲しむしかできないのです。[/member]

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