「笑顔の仮面を脱ぎ捨てた夜:私が隠してきた孤独の真実」

【投稿者:ヒカリ(仮名)/50代・男性・神奈川県】

あの夜のことを振り返ると、心が痛む。誰も気付いてくれない孤独が、どれほど深いものかを痛感した夜だった。普段、僕は周りには明るくて元気な人間だと思われている。笑顔を絶やさず、誰とでも気軽に話せる。しかし、その裏には大きな仮面をかぶっている自分がいるなんて、誰も知らない。いや、誰にも知られたくなかった。

仕事が終わり、家に帰ったあの夜。玄関のドアを閉めた瞬間、急にすべてが重くのしかかってきた。無理し
[member]て作っていた社交的な「自分」を、ここでは演じる必要がない。ふと鏡を見れば、疲れ切った目が自分を見返してくる。この時気づいたんだ、自分がどれだけ孤独だったのかって。

家族は地方に住んでいて、滅多に会うことがない。友達にも、この深い孤独をぶつけるなんて無理だった。だれも僕がこんな苦しみを抱えているとは夢にも思わないだろう。それが悲しくて、情けなくて、涙が止まらなかった。ソファに座り込み、膝を抱えて泣く自分が情けなくて仕方なかった。

ピエロみたいだと思った。ただ、誰かを楽しませるために笑っている。それなのに、心の中は真っ暗で、冷たい。人前では決して見せないこの感情が、自分自身を蝕んでいくのがわかる。

スマホを見れば、表面上の繋がりを示すSNSの通知がいくつかある。それを見ても、なんだか虚しい。誰かとつながっている感覚なんてまるでない。送られてくるメッセージのどれもが、ただの作り物みたいだった。いいねを押す指にさえ、もう感情はこもっていなかった。

その夜、僕は眠れなかった。心の奥底に溜まった孤独が、夜の静けさと共鳴して、泣きたくても泣き切れない悔しさをもたらす。そして、心の中で叫ぶ。「僕はここにいる。誰か気付いてくれ」って。だが、その叫びは、誰にも届かない。

翌朝、目を覚ましたら、また同じ生活が始まる。彼らは僕の仮面に気付かないまま、僕もそれを変える勇気がない。結局、世間の中で「孤独」であり続ける自分を、再び世に送り出す準備を始める。こうしてまた一日が始まる。

夜に戻って、一人、暗闇の中でただただ現状を悲しむ。変わらない日々の中、この孤独をどうにかする方法を探し続けることに疲れ切っていることを自覚する。終わりの見えないこの状況に、救いを求めることすら自分に許せない。

心のどこかで希望を求めながらも、それが叶わない現実を受け入れたくない僕がいる。この夜も、結局過去の続きでしかない。誰にも知られず、同情されることもない孤独から逃れられない。でも、明日になればまた笑顔の仮面をかぶる自分がいる。その繰り返しだけが、変わらぬ現実を続ける術なのかもしれない。[/member]

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