【投稿者:星影(仮名)/50代・女性・千葉県】
あの日の出来事を思い出すと、いまだに心が痛みで締め付けられます。私の人生はその日を境に一変しました。あの日、愛する娘の命が無情にも奪われたのです。
生まれてきたときから健康で活発だった娘が、突然発熱し、私は慌てて近くの病院に連れて行きました。医者はインフルエンザだろうと診断し、風邪薬を処方するだけで、何も深刻なことはないと言いました。私たちもその言葉を信じ、安心して帰宅しました。
しかし、翌朝
[member]になっても娘の状態は一向に良くならず、顔色も悪いままでした。もう一度病院に連れて行こうと決意し、再び病院のドアを叩きました。ですが、私たちの訴えに対して、医者はそれほど心配する必要はないと取り合ってくれませんでした。「子供は熱を出すものですからね」、と軽い口調でそう言われ、私たちは再び家に帰されたのです。
夜になり、娘はぐったりと寝たきりになってしまいました。その姿を見て私は、自分の判断が間違っていたのではないかという不安が頭をよぎりました。今度は他の病院に連れて行こうと思い、車を走らせました。しかしその時すでに、娘の呼吸は荒くなり始め、次第に意識も遠のいていくように見えました。
病院に着くや否や、看護師たちは緊急対応チームを呼んでくれました。でも何時間も医師たちは慌てふためき、時には諦めかけたような姿を見せたのです。ただ、手を握り締め、祈るしかできない私の背中は重く、心も何か大きな波に飲み込まれるようでした。そしてその波は、娘の命を飲み込んでいきました。
娘が名前を呼んでも返事をしない姿を見るのは、この世で最もつらい瞬間でした。「お母さん、寒いよ」と言って笑っていた娘の声が、まるで夢だったかのように、耳元で消えてゆく音を今でも忘れられません。何度も冷たくなった手を温めながら、ただただ「戻ってきて」と呟き続けました。
後での調査で、初診の医師が診断を間違えたこと、そしてそのための適切な治療が行われなかったことが判明しました。でも、もうそのことをもってしても娘は帰ってこない。誤診があった、取り返しのつかないミスがあった、それは紛れもない事実です。でも、もう何を言っても意味がないことも分かっています。ただ、そんなことをされた悔しさとやるせなさに押しつぶされそうで、自分をどう保てばいいのかも分からないのです。
病院を出るとき、私は医者や看護師に対して怒りよりも、恐ろしく深い悲しみを感じていました。それまでの人生ですら一瞬で無にされてしまった絶望感。ただの一つの判断ミスが、私たち家族から最も大切なものを奪ってしまった瞬間でした。
今でも、その無音の帰り道の車中で、あの小さな天使をしっかり抱きしめていた感触が消えません。「ごめんね」と何度も捕られた時間を嘆きます。でもどんなに叫んでも、どんなに泣いても、命の砂時計は戻ってきません。どこに向かっても、何をしても、娘はもう笑わない。極度の悲しさが胸を焼き続ける日々です。
毎日を生きていく中で、現実と向き合い続けることの苦しさ、一瞬のうちに崩れ去る日常が、こんなにも重たく、苦しいものだということを初めて知りました。その命を取り戻すことの叶わない現実をただただ悲しんでいます。[/member]