【投稿者:陽希(はるき)(仮名)/50代・女性・富山県】
親友の裏切りで垣間見た心の闇、その時私は知ってしまった真実についてお話しします。今振り返ってみると、あの出来事は私の心に深い傷を残し、それをどうしても忘れられません。
私には高校時代からの親友、Aさんがいました。彼女はどんな時でも私の味方であり、私たちは互いの秘密を何でも打ち明け合う仲でした。もちろん、私は彼女を全面的に信頼していました。この信頼関係は絶対的なもので、壊れることなどありえないと信
[member]じていました。
しかし、あの出来事が起きたのは、私が大切にしていた秘密を彼女に打ち明けた直後でした。話した内容は、私がずっと抱えていた家庭の問題でした。それは父親が長年抱える借金のことで、私たち家族は常に金銭的な困難を抱えていました。自分だけでなく、母や弟たちをも苦しめ続けている父の状況に、どうしても耐えられなくなっていたのです。涙ながらに話す私を、彼女は最初、真剣なまなざしで見つめ、頷いてくれました。それが、私の安心感にもつながりました。「この人だけは、わかってくれる」と。
しかし、それは私の大きな誤りだったのです。一週間も経たないうちに、私の秘密はまるで噂話の種にされ、周りの友達に広まっていました。「どうして?」そう思って彼女に問い詰めると、彼女は言いました。「ごめんね。でも、誰にも言わないなんて守れなかった。みんなにも知ってもらったほうがいいと思ったんだ」。彼女の言葉はまるで冷たい刃のように私の心に突き刺さりました。理解を示してくれるはずの彼女が、なぜこんな形で私を傷つけるのか、信じられませんでした。
噂は想像以上に広まり、私はまるで晒し者のように見られるようになりました。振り返るたびに、誰かが後ろ指を指しているような気がしました。学校では小声で話す姿が視界の端に何度も映りました。無神経な言葉をかけられることも増え、ときには「かわいそうに」と表面だけの同情を示す声も聞こえてきました。私の心はますます孤立し、誰も信用できなくなりました。
親友にすべてを託していた私は、一瞬にしてその基盤を失いました。彼女の裏切りによって、私は人を信じることの恐ろしさを知りました。本当に大切な秘密は、誰にも打ち明けるべきではないのかもしれません。誰かに知ってもらいたい、理解してもらいたいと思ったことが、結果として、私の心をさらに追い詰めることになったのです。
今、私はこの現実に立ち向かわなければいけません。大好きだった人に裏切られたことは、私にとって消えない傷です。そして、その傷を抱えたまま、生きていかなければならないという現実が何よりも悲しいです。その時、私は自分の心が最後の叫びをあげて崩れそうになるのを感じました。でもどうすることもできません。傷は消えない、でも前に進むしかないのでしょう。それを今はただひたすら、悲しみに暮れながら受け入れるしかないのです。[/member]