「借金地獄からの生還:それでも見えた希望の光」

【投稿者:かぜまる(仮名)/50代・男性・宮城県】

26歳の春、僕は借金地獄のどん底にいた。当時、僕は小さなIT企業でエンジニアとして働いていて、将来に不安を抱えながらも、なんとか日々をやり過ごしていた。しかし、その不安は次第に現実のものとなり、大きな波となって僕を襲った。

最初はただの浪費だった。友人と夜遅くまで飲み歩くことが楽しくて、気がつけばクレジットカードの利用残高が膨れ上がっていった。それでも、「明日にはどうにかなる」という根拠のない自
[member]信がそこにあった。でも、それが全ての始まりだった。

毎月のカードの支払いに加えて、日々の生活費が重くのしかかってくる。友人との交際費を削れず、次第に消費者金融に手を伸ばしてしまう。借金で生活を回し、返済に追われる毎日。状況は悪化する一方で、借金の返済にさらに借金—まるで出口のない迷路に迷い込んだようだった。

借金が増え続ける一方で、僕は会社でのプレッシャーにも潰れそうになっていた。仕事はどんどん忙しくなり、成果を出さなければならないという重圧の中で、次第に心が疲弊していく。一日に数本のエナジードリンクで体を誤魔化し、何とか目を覚まし続ける日々だった。

借金返済のことを考えると目が覚め、寝る間も惜しんで働く毎日。だけどその努力も虚しく、残高が減ることはなかった。「もうやめたい」という思いが何度も頭をよぎった。それでも、家族や友人には相談できなかった。彼らに心配をかけたくないし、自分の惨めな姿を見せたくなかった。

ある日、とうとう限界が訪れた。帰宅途中の電車の中で、突如として気持ちが崩れ落ちたのだ。本当に何もできなくなってしまった。涙が止まらず、周りの乗客の視線を浴びながら、ただ呆然とするしかなかった。その日は帰ることすらできずに、駅のベンチに座り込んで夜を明かした。

そんな生活が続く中、ついにカード会社から支払いが滞ったことに対する連絡が会社にまで及んでしまった。周囲の冷たい視線。もはや言い逃れのできない現実に直面した。その時、まるで心の中にあった最後の砦が崩れ去ったかのようだった。「自業自得だ」と自分を責め続ける一方で、どうしようもない感情に襲われ、自分にはもう何もかも終わってしまったように感じていた。

それでも、人は生きていくしかない。この地獄から逃れる方法を必死に探したけど、「もう無理だ」という声が頭の中で鳴りやまなかった。ただ生き延びるために、職場に頭を下げて事情を話し、親に土下座をして借金返済の相談をしなければならなかった。それは本当に屈辱的なことで、自分の人生にこれほどの落ちる瞬間が来るなんて想像もしていなかった。

それでも、最後の最後に、一瞬の光が差し込む瞬間があった。それは深く沈んでいる中でも、一筋の希望が見えかけた。でも、その瞬間はあまりにも脆く、再び日常の中で消えてしまうのだった。

僕は今でも時に自問自答している。「あの日、どうしてもっと早く自分を抑えられなかったのか」と。でも答えは見つからない。借金地獄からの生還はまるで戦場から這いずり出るようなものだったけれど、傷跡は今も心に残り続けている。現実は厳しく、時にどうしようもなく悲しい。

この重苦しい日々の中にあっても、それでも生きていくことを選ばなければならない自分がいて、なおさら虚しさが募る。時折思うのだ、このままずっと出口のない迷路で一生過ごすのだろうか、と。本当に悲しい。心からそう思う。[/member]

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