【投稿者：ユキタケ（仮名）／30代・女性・岡山県】
最初の印象では、彼は完璧に見えた。誰にでも優しく、私を特別に思ってくれていると感じていた。私たちは出会ってからすぐに惹かれ合い、周囲の誰もが羨むような関係だった。彼が私を愛してくれていると思ったし、私も彼を心の底から信じていた。
ただ、それが全て儚い幻想だったことに気づくのに、そんなに時間はかからなかった。
ある日、彼の携帯が目の前で鳴った。私は何気なく彼の携帯を手に取り、画面を見ると、そこに
[member]は見知らぬ女性からのメッセージが表示されていた。「愛してる。」その言葉を読んだ瞬間、私の心は凍りついた。彼がどこか他の女性とも関係を持っていることを直感的に悟った。
問い詰めたとき、彼は最初は否定したけれど、私が見つけた証拠をすべて示すと、最終的には観念したように真実を話し始めた。彼の口から語られる一言一言が、鋭いナイフのように私の心を貫いていく。彼にとって、私との時間はただの表面的なものでしかなかったという事実が、信じられなかった。
彼は涙を流しながら謝罪したが、私の中では既に何かが壊れてしまっていた。信頼は一瞬で崩れ去り、愛する人が私を裏切っていたという事実にただただ絶望した。それまでの私たちの時間がすべて偽りだったと感じ、それを受け入れることができなかった。
日が経つごとに、背負った痛みは増すばかりだった。何をしていても思い出されるあの瞬間、何もかもが無意味に感じてしまう。そしてその度に溢れ出る涙を止めることができない自分に嫌気がさした。どうして私は彼をそんなに信じ、愛してしまったのか。何度自問自答しても、答えは出ない。
周囲の人々は口々に、「時間が解決してくれる」と慰めてくれたが、その言葉すら虚しく響いていた。眠れぬ夜、孤独な日々、何をしても心の傷は癒えず、むしろ深まるばかりだった。喜びを感じることもなく、何もかもが色を失った世界に取り残されている。
思うように前へ進めない自分がいる一方で、彼は過去の出来事としてすぐに切り替え、新しい生活を始めている様子だった。それを思うと、さらに自分が愚かで情けないと感じる。また、彼が新しいパートナーと幸せそうにしている姿を想像する度に、自身の存在が否定されたような感覚に襲われる。
今でも、どうしてこんなことになってしまったのかと、涙を流しながら問い続けている。何もかもが今となっては変わりようがなく、立ち尽くすばかりの私がいる。この悲しみと喪失感が、いつか消える日が来るのだろうか。ただただ、その甘くて苦い幻影に囚われたまま、私は今日も涙にくれるばかり。[/member]
