「愛憎の果てに—心が引き裂かれた夜の物語」

【投稿者:ゆずき(仮名)/20代・男性・東京都】

この話を書くこと自体が、俺にとっては心を抉るような行為だけど、どうか最後まで聞いてほしい。誰にも話せなくて、心の中でずっとくすぶり続けている過去だ。

あの夜のことを忘れることができたら、どれほど楽か。でも現実はそう甘くない。あれは俺にとって、ある意味で人生が壊れ落ちた瞬間だった。

当時、俺は彼女と一緒に4年ほど同棲していた。喧嘩もするけど、お互い好きで、毎日を共に過ごすことが当たり前だった。彼
[member]女の名前をここに出すのは嫌だけど、今でも彼女は俺にとって大切な人だった。彼女は明るくて面白く、それでいて優しい心を持っていた。俺は本気で彼女とずっと一緒にいたいと思っていた。

あの夜、彼女は突然俺にこう言った。「話したいことがあるの」と。嫌な予感がした。普段の彼女は、こんな風に断ラスチックな言い方をしない。でも俺は、ひとまず彼女の顔を見て話を聞くことにした。

彼女は身体を小さく丸めるようにして、俺の前に座った。それから意を決したように、ぽつりぽつりと話し始めた。「他に好きな人ができた」と。俺の心は一瞬で凍りついた。信じたくない現実が目の前に突きつけられた瞬間だった。

何をどう返せば良いのか分からず、ただただ呆然と彼女の言葉を聞いていた。彼女は続けた。「彼とは職場で知り合って、最初はただの友達だった。でも気がついたら…」そこからの言葉は耳に入らなかった。別の誰かを好きになった彼女、今までの俺たちが積み重ねてきた日々すべてが嘘だったのかと、自分でも怖いくらい冷静に彼女を見ていた。

俺の胸の中は怒り、悲しみ、裏切り、不信でごちゃ混ぜになっていた。信じていた相手、これからもずっと共に生きたいと願った彼女にこんな仕打ちを受けるとは思わなかった。「だったらなぜ今まで俺と一緒にいたんだ?」と、苦し紛れに聞いてしまった。彼女は目を伏せて答えなかった。その瞬間の彼女の沈黙が、何よりも重たく感じた。

その夜、彼女は俺の元を去って行った。怒りと悲しみの中で、何も考えられず、ただ一晩中泣き続けた。顔を見るもの、手に取るものすべてが彼女を思い出させた。彼女との思い出があまりにも強烈で、いまだ胸の内で俺を掬い上げて離さない。

今は一人で暮らしている。日々の生活はそれほど変わらないかもしれないが、彼女がいないことの穴は俺の中でどんどん大きくなっている。それを埋めることは多分一生できないだろう。この文章を通じて、どれだけ俺の心の叫びが伝わるか分からないが、少なくとも自分の心に正直に書くことができた。

今も俺は彼女を愛し続けている。その愛は自分の心を引き裂いてやまないものだと知りつつ。それが俺の愛憎の果てに見つけたもの全てかもしれない。彼女が伝えたかったのは、お互いのためにも別れたほうが良いということだったのかもしれない。だが今の俺には、その優しさすら痛みの一部だ。

俺が心をさらけ出すことでもし誰かが共感し、同じような経験を抱える誰かの癒しになればと、ただ願うばかりだ。でも現実はそう思い通りにはいかず、俺はただこの悲しみを抱えて生きるしかない。どうか同じような苦しみを抱えている人が、一人じゃないと思ってくれることを祈って終わるしかないんだ。[/member]

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