【投稿者:ハル(仮名)/40代・男性・秋田県】
人生の中で、僕が経験した最も悲しく、そして辛い出来事。それは、大切だと思っていた人の本当の姿を知ったときのこと。
あの日、彼女との関係は理想的で、誰もが羨むものだと思っていた。付き合い始めて三年が過ぎ、お互いの両親にも紹介し合い、結婚の話もぼんやりと浮かんでいた。日々の些細な喜びを分かち合い、将来の夢を互いに語るその時間が、僕には心の支えだった。
ある日、共通の友人たちと集まることになった。彼
[member]女も来ると聞いていたので、僕は大いに期待してその場所に足を運んだ。だけど、彼女の様子がおかしかった。笑顔は変わらぬままだったけど、いつもの彼女とは何かが違う。直感的に違和感を覚えた。
その事が心に引っかかり、僕はしばらく彼女の行動を注意深く見るようになった。そして、ついにその瞬間は訪れた。彼女が他の男と親しげに話し、まるで恋人同士のように振る舞っている姿を見てしまった。頭の中が真っ白になった。心臓が一瞬止まってしまうような感覚に襲われ、足元が崩れ落ちるようだった。
しばらく現実を受け入れられず、夢であればいいのに、と何度も願った。けれど、目を閉じても開けても、見たくなかったあの光景が僕を離さなかった。どうしてこうなったのか、彼女に問いただす勇気さえ失ってしまった。
数日後、なんとか気を奮い立たせて彼女に話を聞いてみることにした。自分の目で見たことを伝えると、彼女は少しの間黙っていた。その沈黙にいたたまれず、僕は恐怖で心を締め付けられるのを感じた。彼女はついに口を開き、彼女がずっと愛していたのはその男で、僕とは仮面をかぶって付き合ってきたと告げた。
裏切りと失意が心を蝕んでいく。信じてきたものが一気になくなる喪失感。彼女が隠していた本当の顔を知ったとき、僕の中で何かが壊れる音がした。心の奥底から彼女を責める声が聞こえる一方で、どうしてこんなことになったのかと自分を責める思いがこみ上げてきた。
それ以来、彼女との思い出を見るだけで、魂が引き裂かれるようだった。笑い合った日々、語り合った夢、すべてが偽りだったのかと思うと、涙が止まらなかった。愛が無力に思えた瞬間、彼女を愛して信じ続けた自分が愚かに思えた。
最愛の人が心から消えたことで、僕の心は凍りついた。誰かを再び信じる勇気を持つには、どれだけの時間が必要なのか、今はまだ想像もつかない。目の前にある現実は、ただただ悲しみと絶望に満ちていた。それが僕の今のありのままの姿だ。[/member]