借金地獄の果てに見た、家族の絆と再生の光

【投稿者:ユウキ(仮名)/40代・女性・鹿児島県】

日々の暮らしがいつの間にか借金でがんじがらめになったのは、ほんの数年前のことです。最初は些細な出費でした。子供の学費や車の修理、親の介護費用が少しずつ重なって家計が狂い始めました。夫も一生懸命働いてくれてはいましたが、給料だけでは追いつかなかったんです。「すぐに返せるから」と思い切って借りたお金が、まさかこんな悲惨な状況を招くとは夢にも思いませんでした。

借金が増えるごとに、心の中に暗雲が広がっ
[member]て行きます。返済期限が来るたびに電話が鳴り、そのたびに胃がキリキリと痛む日々。子供たちには申し訳なくて、これ以上迷惑をかけないようにと、ひっそりと暮らすしかありませんでした。楽しみにしていた学校のイベントや休日の旅行も、すべて諦めなければならなくなりました。それでも、何とか生活を立て直そうと必死に働き続けました。

ある晩、熱が出て寝込んでしまい、布団の中で涙が止まりませんでした。「どうしてこんなことになってしまったのだろう」と、何もかもがどうしようもないと感じ、心がぼろぼろになっているのに気づきました。夫も疲れ果てて帰宅する日々で、家族として一緒にいる時間もほとんどありませんでした。お互いに不満だけが心に溜まっていく。夫婦間の会話も次第に減って、不信感が募りました。

その時、全てが壊れたんです。夫が仕事を失ったと告げられ、一気に生活の土台が崩れ去りました。もう、どう足掻いても手に負えないほどの借金が目の前に迫っていました。それを見た時、私は心の中で叫びました。「助けてほしい、助けてほしい」と。誰に向かっての訴えかもわからない、ただの叫び。この時初めて、これが地獄の底なのだということを悟りました。

夫と向き合って話をしなければならなかったのですが、それすらできなくなっていました。お互いにお金のことが頭を支配していて、心の余裕なんてどこにもありませんでした。銀行からの電話や督促状が届くたびに、体の中で何かが剥がれ落ちていくような感覚。寝不足とストレスで、肌は荒れ、体重も減りました。

少し前まで温和だった夫が、苛立ちを隠せず子供に当たることも増えてしまいました。そんなにもがき苦しむ姿を見て、私は何も言えず、ただ傍にいることしかできませんでした。他人の支えが欲しいと痛感する一方で、誰にもこの状況を知られたくないという思いがぶつかり合い、自分を責め続けました。

月日が経つにつれて、少しだけ救いが見えました。子供たちがそんな私たちを見て、自分たちでできることを探して取り組むようになったのです。「今日は洗濯を手伝うね」「週末の買い物、一緒に行こう」そんな小さな声掛けに、ふと「この子たちは私たちの希望だ」という思いがよぎりました。

だけど現実はまだ、『借金地獄』の真っ只中。完全に抜け出すには程遠いこの状況を思うと、夜に一人で涙がこぼれます。未来は不透明で、再生の光もまだほんの小さなものでしかない。でも、それでも家族が傍にいることが、唯一の救いです。そして、その絆だけが私の心をほんの少しだけ柔らかくしてくれる、唯一の励ましなのです。[/member]

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