【投稿者:ソラ(仮名)/40代・男性・三重県】
タイトル: 「続く働きアリの叫び – 燃え尽きた心の果てに」
僕の人生は、仕事に支配されていた。毎日毎日、終わることのないプロジェクト、次から次へと振られるタスク、逃げる暇もないプレッシャーに押しつぶされていた。そんな生活が続いたある日、ついに体が悲鳴を上げた。目の前が急に真っ暗になり、何も感じなくなった。
思えば、あの瞬間はずっと前から迫っていたんだ。でも、僕はただの「働きアリ」だった。誰か
[member]に「無理をしているね」と言われても、「大丈夫だよ」と笑って過ごしていた。心の奥には、大丈夫じゃないって叫びがあったのに、それを言葉にすることはできなかった。
毎朝、目覚ましの音で起きるのが恐怖だった。家を出るまでの時間はいつも憂鬱で、駅に向かう足がひどく重かった。僕の心の中には、「このまま逃げ出したい」という気持ちが渦巻いていたけれど、責任感に押しつぶされて足を止めることができなかった。仕事があるから自分は生きていける、そんな風に思い込んでいた。
仕事場に入ると、そこには笑顔の仮面をかぶった同僚たちがいた。僕たちは、みんな同じだという共通認識のもと、励まし合っているようで誰も本音を言わない。心許せる同僚が欲しかった。でも、弱みを見せれば置いて行かれるんじゃないかと不安だった。
それでも、頑張り続けるしかなかった。そして、ついにある日、僕は限界を迎えた。医者には「燃え尽き症候群」と診断された。診断を受けたとき、妙に納得してしまった自分が悲しかった。どこかでずっとわかっていたことだったから。
休職に入って、初めて自分の心と向き合う時間ができた。だけれど、その時間は決して癒されるものではなかった。むしろ、自分の無防備な部分を直視するのが怖かった。価値のない自分という存在を、誰に認めてもらえばいいのか分からなかった。
友人や家族に連絡してみても、気軽に「ゆっくり休んだらいいよ」なんて言われるたびに心が痛んだ。そんな簡単な問題ではなかった。心の中には、何かを訴え続けていた痛みがあったんだ。「本当にわかってほしい」と思っても、うまく説明できなかったんだ。
社会から離れ、孤独感が募るばかりだった。夢中で走り続けてきたのに、急に立ち止まったこの虚無感。まるで自分が宙に浮いてしまったかのような、居場所のない感覚に陥った。何を見ても、何を感じても、心に染み入ってこない。周囲は色を失い、見える風景は灰色ばかりだった。
あれからしばらく経ったけど、今も心の空洞は埋まっていない。日々繰り返す努力の中で、少しずつ前進しようとするものの、その歩みは重い。いつか、この空しさを抱えた自分が、本当に救われる日は来るのだろうかと問う毎日。それでもまた一歩進むしかない自分に、ただただ悲壮感が押し寄せる。
人はどうしてこんなにも働かなければならないんだろう。大切なものを犠牲にしてまで。答えの見つからないまま、僕は今日も孤独な心の中にどこか皆と似た風景を、懐古しながらさまよい続けるしかないんだ。[/member]