「愛した人の裏切り、その瞬間に心が粉々になった夜」

【投稿者:あおば(仮名)/40代・男性・愛知県】

僕の人生において、あの夜ほど心がえぐられるような経験はなかった。今でも振り返るたびに、どうしようもない虚しさと悲しみが押し寄せてくる。

彼女とは大学時代に出会った。共通の友人を介して、僕たちはいつの間にか一緒にいる時間が増え、自然な流れで付き合い始めた。彼女は笑顔が素敵で、何事にも全力で取り組む姿に僕はどんどん惹かれていった。お互いを理解し合い、支え合う関係だったと信じていた。

そんな関係が壊
[member]れる音を、僕はその夜に聞いた。

あの日、僕は仕事が予想以上に早く終わり、彼女にサプライズで会いに行こうと決めた。その日は彼女の誕生日でもあり、特別なディナーの計画も立てていた。久々の早い帰宅にウキウキしながら、彼女の家に向かった。

そして、チャイムを鳴らさずに部屋の中に入った。彼女の合鍵はずっと僕が持っていたからだ。しかし、そこで目にした光景は、想像の範疇を超えていた。彼女と、そして僕の知らない他の男がそこにいた。一瞬、頭が真っ白になって何が起こっているのか理解できなかった。

心の中で何かが音を立てて壊れていくのを感じた。なぜなのか、何がどうしてこうなってしまったのか。すぐに帰るという選択肢もあったかもしれないが、その場から動けなかった。彼女と目が合ったその瞬間、自分がどれほど愚かで、彼女を理解していなかったのか、痛感させられた。

僕は叫ぶこともなく、そのままそこを立ち去った。でも彼女の裏切りのイメージは頭から離れてくれなかった。駅まで無意識に歩いていたが、足が棒のようだった。心がぐしゃぐしゃになったままで、どうしていいかわからない。心臓を抉られるとは、まさにこのことなのかと思った。

多分、その晩が人生で一番長く感じた夜だった。しばらく家に帰れず、街を彷徨い続けた。どれほど涙を流したかわからない。こんな気持ちはどう表現すればいいのか、誰に話せばいいのか、皆目見当もつかなかった。ただただ虚しく、ひどく孤独だった。

何もかも信じられない。彼女だけは信じていたのに。それが全て幻想だと言われたような、まるで自分の全てを否定されたかのようだ。どうしてあんな嘘を隠していたのか、答えのわからない疑問だらけで、心はまるで千切れてしまったようだった。

翌日になっても、変わることのない悲しさがまた襲ってくる。彼女とは話をしようとしたが、言葉を選ぶことすらできなかった。心の底では謝ってほしいと思っていたのかもしれない。でも、彼女の涙を見ると、僕が何か言ったとしても、すべてが無意味に思えた。もはや戻れない何かがあの夜に消え去ってしまったようで、すべてが遠のくばかりだ。

今もこの出来事を思い返すたび、自分の心が癒える日は来るのだろうかと考えてしまう。納得するわけでも、許すわけでもない。あの夜の出来事は、僕の心に深い傷を残し続けるのだろうと思う。そしてその度に、何もできなかった自分がただ悲しい。[/member]

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