「心の檻:誰にも言えない過去と向き合う日々」

【投稿者:青空侍(仮名)/30代・男性・和歌山県】

私は、自分の心の奥底にある悲惨な過去について語ることを、できるだけ避けてきた。しかし、それを抱え続けるのはあまりにも苦しいので、今ここで、少しだけその重荷を下ろしたいと思う。

あの時のことを思い出すたびに、心は再び傷つき、また檻の中に閉じ込められたような感覚になる。自分の人生の中であれ以上に悲しく、惨めな体験は他にない。

それは、学校の教室で起こった。僕は小学校の低学年で、まだ何も知らなかった
[member]頃。休み時間に教室の隅っこで一人、本を読んでいたんだ。友達が少なくて、いつも自分の世界に閉じこもっていた。そこにやってきたのは、クラスの中心的存在の子たちだった。彼らが僕を取り囲み、からかい半分に「あいつ、変だよな」とか「本ばかり読んで暗いよな」というようなことを言い始めたんだ。

その時、僕はただ黙っていた。ただ、何か言おうとすると声が震えてしまいそうで、何を言っても無駄だと思った。自分の存在が無意味なように感じて、ただただその場から消えたかった。

その場面が終わると、一瞬ほっとする反面、自分がどうにもならない劣等感に押しつぶされそうになってしまう。それから、彼らの言動がどんどん酷くなり、僕はいつの間にか学校での自分の居場所を完全に失った。先生に相談することも考えたが、勇気が出なかったし、話したところで何も変わらないと思っていた。

一度、自宅に帰って両親にそれとなく話したことがあるが、結局、泣き出してしまい、うまく説明できなかった。親も忙しそうで、本気で取り合ってくれなかった。僕自身も、彼らを面倒に巻き込みたくなかったし、結局、どうすることもできず、自分の中でそのすべてを抱えることにした。

時が経つにつれ、何か意見を言うことが怖くなり、人と関わるのが怖くなった。誰も信用できなくなり、心を開くことができなくなった。常に心には檻があり、そこに過去の悪夢が閉じ込められているような感じだ。

年月は流れ、社会人として働くようになっても、あの時のことが毎日のようにフラッシュバックしてくる。仕事場でも、人とうまく関わることができず、一晩の睡眠がヒトによって引き裂かれる事を恐れて眠れない時もある。

あの過去の出来事は、やはり自分の中で完全に消化できていない。それに、どれだけ時間が経っても、その重みは消え去ることがない。この現実を受け入れざるを得ないことが、またさらに心を苦しめる。アプローチのしようがあるわけでもなく、ただただ、この状況を背負い続けなければならないのだ。

ここまで書いたところで、思う。何か希望の光を見出すことができる物語があれば良かったのに。しかし、現実はそう甘くないし、僕はただ、今日もこの心の檻の中で過去と向き合うしかないのだ。ここに答えはないが、少しでも誰かが読んで、共感してくれることを願うばかりだ。[/member]

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