【投稿者:ユキリン(仮名)/40代・女性・北海道】
夢を追い続けること、それは私にとって、生きる全てのようなものでした。小さい頃からの憧れだった職業に就くために、私は大学を卒業してから一心不乱に働き続けてきました。目の前にある目標を達成するために、どれほどの時間やエネルギーを費やしたのか、もはや思い出すことすらできません。
仕事が生活の中心になり、友人との交流や家族との時間は次第に削られていきました。「仕方ない、夢のためだから」と自分に言い聞かせ
[member]、夜遅くまでオフィスに残り、休日も返上して働きました。周囲の人々はそんな私を心配してくれましたが、私はただの応援だと受け取るだけで、真摯に向き合うこともしませんでした。
そんな生活を続けているうちに、私は体に違和感を覚えるようになりました。最初は無視できる程度の疲労感や頭痛でしたが、次第に改善されるどころか、悪化していきました。眠れない夜が続き、次第に食欲もなくなっていきました。それでも私は「もう少し頑張れば」という希望を抱いて、仕事に没頭し続けたのです。
しかし、ある日、ついに体が悲鳴を上げました。会社で突如意識を失い、救急車で運ばれることになったのです。医者からは過労とストレスが原因だと告げられました。夢中になりすぎて、自分がとんでもない状態に陥っていたことをその時初めて実感しました。ベッドに横たわりながら、どうしてこうまでして働き続けてきたんだろうと、自分を責めるばかりの日々が始まりました。
入院生活を送る中で、一番辛かったのは精神的な孤独感でした。夢を追いかけている時には気付かなかったけれど、周りとのつながりをすっかり絶っていた私には、心を開ける相手がいなかったのです。何度も泣きました。泣きすぎて涙も出なくなって、ただただ虚しさだけが心に広がっていくばかりでした。
復帰までには長い時間がかかりました。その間に仕事は他の人に任され、私はそれに対して嫉妬や焦りを感じました。自分が必死になって築き上げてきたものが、まるで砂の城のように崩れ去っていく姿を見ているようでした。病院の白い天井を仰ぎ見ながら、「私は何のために生きているのだろう」と考え続ける日々でした。
結局退院した後、私は仕事に復帰することができたものの、以前のような情熱を感じることはなくなっていました。仕事仲間との差も広がり、心の中で「自分は今どこに向かっているのだろう」と堂々巡りの考えが頭を離れません。
夢を追いかけることは決して悪いことではないと思います。ただし、自分の体や心の限界を超えてまでそれを追い求めることが、本当に価値のあることなのか、今改めて考えています。
無理を重ねて、やっとの思いで手にした大切なものが、気がつけば私の幸せを奪ってしまっていた。それでも夢を諦めることはできず、自分の心に嘘をつき続ける毎日です。まだどこかに希望があるかもしれない、そんな根拠のない信じてしまえる自分に、どこか別れを告げたいと思う時もあります。
だけど、もうそれすらも自信がなく、本当の意味での自分を取り戻せずにいます。ただ、これまでの生き方の代償の大きさに、打ちひしがれる日々なのです。[/member]