「愛という名の檻に囚われて:私を変えた狂気の恋」

【投稿者:ひかり(仮名)/30代・女性・群馬県】

「愛という名の檻に囚われて:私を変えた狂気の恋」

あの時、私はまだ彼の笑顔が全てだと思っていた。恋に落ちたその瞬間から、彼の存在は私を支配していた。何よりも彼が大切だったし、彼の望むことを叶えることで私も幸せになれると信じていた。

最初は優しかった彼。私を本当に愛していると信じ込ませるだけの温もりがあった。でも、次第にその温もりは冷たくなっていった。怒鳴られたり、無視されたりすることが日常にな
[member]った。それでも彼の機嫌が直った時には、以前のような笑顔を見せてくれることがあったから、また優しかったあの頃に戻れると信じ続けてしまった。

心の叫びは聞こえない。それを感じるのは自分だけだと思い知らされた時、胸につかえた思いがただ溜まる一方だった。何度も「こんなのはおかしい」と思ったけど、彼のことを考える度に「私が悪いのかもしれない」と自己否定のループに陥った。

ある夜、私の心の声が初めて涙に変わった。彼が私の存在自体を否定するような言葉を放ち、「お前なんかいなくてもいい」と吐き捨てたその瞬間、心がズタズタになったのを感じた。その言葉が心に刻まれてからは自分に価値があるとは思えなくなっていった。一緒にいるためにはどうすればいいのかわからず、彼のためにできることを必死で探した。

友達にはいつも笑っている振りをした。あまりにも惨めな自分を見せることが恐ろしくて、誰にも言えなかった。「大丈夫?」と聞かれる度に「平気だよ」と笑って嘘をついた。その言葉を信じてもらえる度に、少しだけ安心感を得る代わりに孤独が深まっていったような気がする。

ある日、友達の一人が「あなたがいなくても私は困らない」と言われたことを打ち明けた時、少し自分の心が軽くなった気がした。彼女は涙ぐんで、「そんなこと言う人なんかと一緒にいる必要なんてない」と慰めてくれた。でも、その言葉さえも受け入れられずに、ただひたすら自分を責めた。彼を変わらず愛せない自分を。

毎晩、涙で枕を濡らしながら、いつか彼がまた優しく微笑んでくれることを待ちわびた。一方で、彼の機嫌が悪くなるのを敏感に察知してしまう自分が辛かった。彼が怒った時、私がどう対応すればいいのかわからなかったし、何をしたらまた機嫌が直るのか考え続ける日々は終わらない。

自分を解放したいと思うものの、その道が見えなかった。いくらもがいても愛という名の檻から抜け出せない。彼の愛を求め続けた心が壊れていった。ただ、今も彼の顔を思い出す度に、孤独と虚無感が襲ってくる。一人でいる時は、時が止まったような気さえする。悲しみは、まるで私の一部として存在するようになってしまった。

心のどこかで「これでいい」と納得させる自分がいるけれど、その気持ちが虚しいとも感じる。彼のことが思い出になったとしても、心の痛みと狂気の渦はどこまでもつきまとってきて、抜ける方法を見つけられないまま、今日という日をただ過ごしている。しかし、それでも明日に希望を持ちながら、一日一日を過ごしている自分に気づく時だけが、少しだけ救いだ。[/member]

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