【投稿者:ひなた(仮名)/20代・女性・京都府】
私の人生において、もっとも悲しくて悲惨だった経験をお話しします。それは、大切な家族との絆が私の働くブラック企業に吸い取られていったことです。皆さんに何かを投げかけることができればと思い、心からの叫びをお伝えします。
私はある中小企業に就職しました。その会社は、いわゆる「ブラック企業」として悪名高い場所でした。毎日終わらない仕事と、上司からの執拗なプレッシャー、適当な時間に対する無関心さは、まさに
[member]地獄の日々でした。それでも、私は「仕事だから」と自分に言い聞かせ、家族に十分に向き合うことなく働き続けることを選びました。
最初のうちは、家庭と仕事の両立をなんとか目指していました。しかし、ストレスにさらされた私の心は徐々に壊れ始めたのです。会社の常識外れな働き方への不満は日に日に積もり、深夜まで及ぶ残業や休日出勤によって、家族と過ごす時間はほとんどなくなりました。夫や子供たちと食卓を囲むこともままならず、私ひとり食事を済ませる夜が続きました。
家庭では、私の存在は次第にひっそりとしたものになりました。子供たちはいつの間にか「お母さんはいないもの」として、私抜きで生活を組み立てるようになりました。子供たちの成長の瞬間に立ち会えないままの日々。出勤時に眠たげな顔で見送ってくれた子供たちの笑顔を思い出し、胸がちりちりと痛みます。
夫とも次第に会話が減り、私に代わって家事をこなしてくれる彼には、感謝の言葉すらないままでした。そのころの私は、ただただ仕事に追い立てられ、心だけでなく、体も疲労に支配されていました。家庭内での些細なすれ違いや誤解も互いに解消することができず、険悪な雰囲気ばかりが広がっていました。
ある日、家に帰ると、テーブルには夫が書き残した一枚のメモがありました。それには、「これ以上お前を見ているのが辛い。子供たちとしばらく実家に帰って落ち着きを取り戻したい」とありました。それを読んだ瞬間、自分がどれだけ家族を見ていなかったことか、そして、どれだけひとりよがりだったかを痛感しました。
私の選んだ道は、本当にこれで良かったのか?一緒にいることの大切さを、なぜあのとき理解できなかったのかと、後悔の念ばかりが募ります。それでも、仕事を辞める勇気もなく、家庭を取り戻すきっかけを見つけることもできず、ただただ日々の歯車の中に呑み込まれていきました。
気づけば、家庭は崩壊寸前で、私はただ一人そこで立ちつくし、何もできない自分に涙するばかりです。少しでも戻るためのきっかけを掴もうとしても、そこから積み上げられた壁はあまりにも高く、途方に暮れることしかできません。
誰にも頼れず、心底から感じる孤独と無力感。これが、私が仕事に奪われたものの重みだと実感しました。今もなお、私はその日の夜のことを思い出し、自分の選んだ道に対する悔しさと、取り返せないものたちへの悲しみが心に深く残っています。
最愛の人たちを失って学んだ教訓は、あまりにも大きな代償を伴いました。そして、私は問うのです。このような痛みに意味はあるのか?今もなお、その答えを見つけるには程遠く、ただただ虚無感が私の心を支配しています。[/member]