【投稿者:ソラ(仮名)/40代・女性・滋賀県】
私は大学を卒業してすぐに、新しい環境や仕事に追われる日々の中で、自分の健康に対する意識が薄れていました。しかし、親からの勧めもあり、健康診断を受けることにしました。それが、私の人生で最も悲しく、衝撃的な経験の始まりでした。
病院の待合室で、私はいつものようにスマートフォンをいじり、順番が来るのを待っていました。あまり重大に捉えていなかったのです。チェックアップなんて、面倒だけれど一応受けておこう
[member]、というくらいの気持ちでいました。そして、健康そのものであると信じて疑わなかった私に、医師からの診断結果が突きつけられたのです。
「精密検査が必要です」と告げられたその瞬間、私は頭の中が真っ白になりました。何かの間違いだと必死に思おうとしました。でも、心のどこかで、それが現実だということを理解していたのです。そして、精密検査の結果、私には重い病があることが告げられました。
その日から、私の心には大きな孤独と不安が押し寄せました。誰もこの恐怖を完全に理解してくれない、そして明日がどうなるかわからない。終わりの見えない暗闇のトンネルに、一人で閉じ込められたような感覚でした。涙が出ないわけではありません。ただ予想外の出来事に私の心は凍りつき、感情を持て余していたのでした。
病院に何度も通うことになり、その度に私の心は疲弊していきました。隣の人の笑い声に、私の心は張り裂けそうになりました。どうして私だけがこんな目に、と。職場の同僚が元気に働いている姿を見るたびに、私はその場から逃げ出したくなりました。
周囲の人には、心配をかけたくないと強がりを見せ、笑顔を作っていました。でも本当は、誰かに寄りかかりたかった。助けを求めることが恥ずかしいと感じてしまう私は、孤独の中で、泣き続けていました。
治療が始まってからは、心も体もさらに疲れ果ててしまいました。副作用で髪が抜け、体力は奪われ、鏡の中の自分が日に日に変わっていくのがわかりました。本当は強くありたかったのに、まるで風が吹けば倒れてしまいそうな私は、どんどん弱くなる自分を止めることができませんでした。
友人たちに会うことも極端に減り、物理的にも精神的にも孤立していきました。「大丈夫だよ」という言葉が聞きたかったけれど、その言葉を言われても、きっと心の底から信じることができなくなってしまっていたのです。優しさが、時に私をさらに追い詰めるのが苦しかった。
家族のことを思うと、さらに心が痛みました。弱音を吐くことができれば、もう少し楽になれたのかもしれません。でも、心配をかけたくないという気持ちがどうしても勝ってしまい、本音を言えずにいました。
病院の白い壁を見つめながら、私はただただ淡々と、治療の日々を送っています。色を失った世界の中で必死に前を向こうとする自分がいる反面、ここまで孤独になるとは思ってもみなかった現実に、どうしようもない悲しみを覚えます。
病院の陰で囁かれる「頑張って」「負けないで」という言葉も、今の私にとっては時に残酷に響きます。誰も知らない健康診断の裏側には、こうした見えない戦いがあることをわかってほしい。でも、それを伝えることができずに、私はただ黙って、この心の重さに耐えている日々を送っています。明日は少しでも良い日であることを、ただただ祈るばかりです。[/member]