「愛に囚われた私たち:消えない心の監獄」

【投稿者:青空(仮名)/30代・女性・神奈川県】

自分の人生で一番悲しかった経験を語る準備はできていますか。これは私にとって、新しい愛に出会ったばかりのころ、まさに暗いトンネルの中で光を見つけたような感覚でした。でもその光が実は影が作り出した幻だったと気付くまで、それほど時間はかかりませんでした。

彼と出会ったのは、いまから三年前のことです。友人の紹介で、会話が弾んで、すぐに付き合い始めました。彼は優しく、私のことをとても大切にしてくれているよ
[member]うに見えました。そして少しずつ彼に依存していく自分がいました。私にとって彼は、今までに出会った誰とも違う、とびっきり特別な存在だと思えました。今振り返れば、それが罠の始まりだったのです。

最初は些細なことでした。私が友人と出かけると言うと、彼はその予定をキャンセルするように言いました。彼はただの妬みじゃないと説明して、不安だと言いました。私は彼の気持ちを理解したいと思い、それに従いました。だんだんとそれが繰り返され、気付けば友人との付き合いは一切なくなりました。でも、その代わりに彼がいてくれる。だから、いいかなって自分を納得させていました。

そのうち、彼は私の服装や趣味、そして仕事の話にまで注文をつけるようになりました。何が正しいのか、どうすれば彼を安心させられるのか、そればかりを考えるようになりました。私の生活は彼を中心に回るようになり、彼の期待に応えようとするあまり、いつしか私自身が何をしたいのかも分からなくなっていました。

毎日が苦しくて開けられるような明るさはもうどこにもなくなりました。私の自由はどんどん奪われていき、いつも彼の顔色を伺いながら、その顔色次第で自己評価が変わる日々。笑顔の裏には、その裏切ったらどうしようという恐怖が潜んでいました。それが愛だと、勘違いし続ける自分が許せませんでした。

わかっていたのに抜け出せない。その気持ちは、まるで心の中に閉じ込められたような感覚でした。消えない監獄に身を置く自分がいました。彼に何か一つでも否定されると、自分が全て悪いような気がして、また更に彼の言葉に従うしかないと思っていました。

結局、私は彼のもとから去ることも、反抗することもできないまま、ただただ悲しみと虚しさだけが残されていました。そして、それに変わるものを探す力もなく、ただ現状を受け入れるしかない状況で暮らし続けています。今では、自分の選択肢がどこにあったのかも忘れてしまいました。ただただ誰かに、その無力さを理解してもらえたら少しは安心できるのかもしれません。けれど、その理解ですら望むことができないのが悲しさの極みです。[/member]

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