【投稿者:光(ひかり)(仮名)/30代・女性・長野県】
今まで誰にも話したことがないけれど、私は心の奥底でどうしてもこの悲惨な経験を吐き出さずにはいられない。時々、人生の中で最も信頼していた人が、実は全く別の顔を持っていることを知ったときの衝撃と絶望が蘇ってくる。それは、私にとってまるで自分がかけた純白のカーテンが一瞬で真っ黒に塗りつぶされたかのような出来事だった。
その友人、彼女とは大学時代からの付き合いだった。共に笑い、泣き、何でも話し合える信頼
[member]関係を築いてきたと信じていた。でも、私が気づかなかった彼女の真実に直面した時、それはまるで時間が停止したかのように感じた。
ある日、特に理由もなく不穏な気配を感じた。普段明るくて人懐っこい彼女が、急に連絡も返さず、顔も見せなくなったのだ。最初は忙しいのかと思っていたけれど、だんだんと心配が深くなり、いてもたってもいられず彼女の家を訪ねた。ドアをノックしても反応がなく、何かがおかしいと直感で感じた。そして、当たり前のように開け放たれたベランダの窓から、彼女が見たこともない無表情で遠くを見つめているのが見えた。
その姿を見た瞬間、心臓が凍りついた。平然とした彼女の顔には、彼女が抱える苦悩や孤独の影が読み取れた。そして、その次の瞬間、彼女がポケットから取り出した小さな瓶が目に入り、すべてが崩れ去った。私が恐れていたことが現実だとは信じたくなかった。
後日、彼女の部屋を整理する過程で出てきた小さなメモは、彼女が長い間ずっと孤独と戦っていたことを物語っていた。しかも、それを私にすら話せずに抱え込んでいたという事実が、私の心を激しくえぐった。「どうして、私はこんなにも近くにいたはずなのに気づけなかったんだろう」と問うても答えは出なかった。
親友が求めていたのはただの優しい言葉でも、心に寄り添う気持ちでもなく、彼女自身の存在を認め、しっかりと受け止めてくれる何かだったのかもしれない。私がその欠片になれなかったのは何とも無念だった。結局、彼女が天に召されるまでの間、私は自分だけが満たされる友情という幻想に浸っていただけだったのだろうか。彼女が抱えていた深い悲しみと、心の痛みは私には到底測り知れないものだった。
この出来事を語るたび、胸の中にぽっかりと穴が開いているような感覚に襲われる。彼女が生きたかった未来を私が生き続けているこの矛盾に、私は今も苛まれている。忘れられないあの日の彼女の姿が、時折電車の窓に映る自分の影と重なることがある。そして、私は何もできなかった自分を責め続ける。
現実はあまりに重く、あまりに残酷だ。彼女が最後に見た景色の中には、私の無力さという嘲りを込めた言葉が落ちていたのかもしれない。何度も夢に出てくる笑顔と、その裏に潜んでいた彼女の絶望を思うと、自分ができなかったことへの後悔と、彼女を救えなかった悲しみだけが、今も私の心に刻まれ続けている。
親友として彼女を守れなかった私は、今この瞬間も彼女の不在を悲しみ続けています。彼女のいない日常が、戻らない時間が、そして失われた愛しい記憶が、私を優しくも鋭い痛みで縛り付けるのです。私の心の中に残された彼女の面影は、きっと私がより良い自分になるための教訓として、その光を失うことはないでしょう。[/member]