【投稿者:ゆずる(仮名)/20代・女性・和歌山県】
人生の中で、感情というものはまるで時折荒れ狂う海のように予測不可能で、制御不可能なものであると痛感する瞬間がある。私にとってそれは、信じていた人から突きつけられた嘘が暴かれた瞬間で、それが私たちの間に築いてきたすべてを一瞬で壊した瞬間だった。
彼とは大学時代に知り合い、出会った瞬間から心の奥深くで何かが弾けたような気がしていた。本当に馬鹿みたいだけど、その時から、この人とは何か特別なものを築ける
[member]気がしてならなかった。そして事実、数年間はそうだったと思う。彼は私にとって最高の理解者であり、私の一番の味方で、一緒にいるとどこか特別な「私たち」という居場所があった。
しかし、その居場所が隙間なく心地よいものだと思っていたのは私一人だけだったのかもしれない。突然、何かが少しずつおかしくなっていった。彼の忙しさ、言葉の綻び。それでも、信じたい自分がどこかにいて、彼を問い詰めることも、疑うことも怖くなってしまった。何かが壊れるのが怖かったのだ。今思えば、あの時点で向き合えていれば結末は違っていたのかもしれない。
そしてある日、今でも思い出したくないほど明確に覚えているその日、私は彼の携帯で偶然、信じられないようなメッセージのやり取りを見てしまった。直感でこれは普通のやり取りではないと分かった。その女性の名前を聞いたことがある。彼が仕事の会議だと言っていた時の同僚。私の中の不安が一気に現実になった瞬間。
その後の会話はまるでありえない夢の中の出来事のようでした。彼は否定し、事実を歪め、挙句の果てには私がそんなものを信じるなんてと責め立てた。涙も怒りも入り混じる中で、嘘という名の言葉が私たちの間に黒い影を落とした。彼を失う恐怖とすべてを知った怒りが心の中で渦巻いて、私はただその場に座り込むしかできなかった。
「信じたくなかった」という気持ちは今でも続いていて、まるであの日から時が止まってしまったよう。彼への愛情がなくなったのではない。ただ、あの事実を知ってしまったことで、もう未来に希望を持てなくなった自分がいるだけです。何が間違っていたのか、何をしてしまったのかを延々と問い続ける日々。冷たい現実だけが刻々と時間を刻み、私の心に重くのしかかる。
愛とは何だったのだろう。あんなにも些細なもので壊れてしまうものならば、それは本当に愛だったのかと悲しくて仕方がない。周りの人々は「もっといい人がいる」と励ましてくれるけれど、現実はそんなに簡単に解決しない。彼を責める気持ちも、許したい気持ちも、自分の中から拭い去ることはできなくて、まるで何も進んでいないような思いがする。
過去は変えられないし、未来もまだ見えない。私はただ、あの日々の温もりを追い求めてもがいている。何も手につかず、周りの景色も色を失わせてしまうようなこの感覚。本当に終わってしまうのだろうか。愛が崩れる瞬間、すべてはこうも儚いものだったのかと、ただただ悲しみの中に取り残されている。[/member]