【投稿者:ハルカ(仮名)/30代・女性・福井県】
心の檻に囚われた、あの日のことを思い出すと、今でも胸が締め付けられます。それは何でもない一日の始まりでしたが、私をまるで波のように押し寄せる絶望の中に引きずり込んでしまった、忘れもしない日です。
その日、私は朝からなんだか気分がすぐれませんでした。目覚めた瞬間から、何かが違うという違和感が肌にまとわりついていたんです。他の日と変わらないルーチンで、朝食をとり、身支度を整えましたが、その全てがぼん
[member]やりとしていて、まるで誰かの後を追っているような感覚でした。
会社に着くと、オフィスのいつも通りの喧騒が耳に飛び込んできました。でも、私にはその音がどんどん遠ざかっていくようで、視界も次第に狭まっていくような感覚が襲ってきました。そしてそれは突如として、心の奥深くに潜んでいた恐怖が現実のものとして表面に浮かび上がってくる瞬間でした。
私が一番信頼していたプロジェクト、そしてその成功がきっと私の自信を取り戻してくれるものだと信じてやまなかったその計画が、まるでカードの塔のように一瞬で崩れ去る情報を耳にしました。上司が告げた、私にはどうしようもない、外的な要因。それは、不況の影響による予算削減だったのです。
頭の中が真っ白になりました。信じていたものが嘘だったかのように一瞬で消えてしまった。その事実に立ち向かう力もなく、私から全てが奪い去られてしまったように感じました。その計画にすべての力を注ぎ込んでいた私は、自分自身をも否定されたようで、何よりもそのことが私の心を引き裂きました。
ランチタイムになっても席を立つ気力も湧かず、ただぼんやりとPC画面を眺め続けました。いつもは楽しく話をしていた同僚たちの声も、遙か彼方の監獄の壁の向こう側から聞こえてくるようでした。まるでコンクリートの箱の中に閉じ込められたような、逃げ場のない気持ちで溢れかえり、息をするのも苦しいくらいでした。
その日の夜、家に帰る電車の中で、窓から外を眺める自分があたかも他人のように感じました。自分がどこに向かっているのか、そして何をすべきなのかが全くわからなくなっていました。乗客の誰もが、私を避けるかのようにこちらを見ようとせず、孤独感はますます増すばかりです。
家に着くと、大好きだったはずの温かい空間が何も変わらずそこにありましたが、その日の私はそれを受け入れる気持ちすら持てませんでした。何も考えたくない、でも頭の中は不安と思考でいっぱい。涙が止まることなく流れ、ずっと独り言のように「もうダメだ」とつぶやいていました。
たった一日の出来事が、これほどまでに心を壊してしまうとは思いもしませんでした。誰も私の心の奥の苦しみを知ることはありませんし、私自身もそれを話す気力が湧きません。ただただ、不安が私の中で渦巻いている。未来への不安、そして自分が如何に無力であるのかという現実に、ただただ押しつぶされる日々。
今も、心の檻から出られずにいる自分がいて、その牢獄の中で日に日に色あせていく私自身の姿しか見えません。この先どうすればいいのか、何を信じればいいのかがわからない。ただ、時が過ぎ去るのを待つことしかできません。結局、私はその檻の中で自分を見失ったまま、同じ日々に埋没し、悲しみとともに過ごしています。[/member]