【投稿者:ソラ(仮名)/40代・女性・高知県】
家族って一番信じられる存在のはず。でも、お金が絡むとその絆は砂のように崩れてしまうんだと、身をもって知りました。
私たち家族は昔、普通の家庭でした。父と母、そして私に弟の4人家族。特別裕福ではなかったけど、幸せだと感じていました。でもある日、全てが変わりました。父が退職して、祖父からの遺産話が舞い込んだのです。私たちには夢のようなお金の話でした。
祖父はかなりの財産を一族に残しました。遺産分割
[member]の話し合いが始まると、それまでの家族の姿がみるみる変わっていきました。母が、お金のことばかり口にするようになり、父もそれまでの穏やかさを失ってしまいました。毎晩遺産の分け方で口論が続き、家の中は暗く沈んでいきました。
ある日、母が私たち兄妹を前にしてこう言いました。「このお金があれば、あなたたちの将来だって安泰よ」。でもその言葉には、誰も触れない冷たい何かがあったんです。大切なものがなくなってしまった感じで、言い表せない寂しさが胸を締め付けました。
時間がたっても家族の争いは止まりませんでした。ある時、父が母に向かって「もう君とはやっていけない」と叫びました。希望に満ちた家庭を築いていたはずが、璧がなくなってきました。その場面を思い出すたび、今でも胸が痛いです。初めて見る両親のいがみ合いに、情けなさを忘れることができません。
結果的に、離婚という形になりました。その知らせを聞いた時、まるで心臓をぎゅっと掴まれたような気持ちになりました。悲しくてたまらなかったです。日常が崩れていったことに耐えることができませんでした。もう家族として戻らないかもしれないという現実に直面するのが恐ろしいと思いました。
家族は、日本特有の「仲良し家族」像を壊してしまいました。それは本当に悲しく、取り返しのつかないものでした。私にとって、仲良しの家族は戻らないことを痛感しています。離れて暮らしているし、親戚とも疎遠になり、家族という温かみはもう感じられないのかもしれないと思うと、とても寂しいです。
金の魔力がいかに恐ろしいか。金で買えないものがあったにもかかわらず、それを見失ってしまった自分と家族が、今でも悔いています。どれだけ周りが、その経験を話しても、この喪失感は消えることはないでしょう。自分自身を、そして家族全員を責め続けている気がしてなりません。
この状況からよくなることを願っても、現状は厳しいままです。家庭の笑い声で溢れていた日々が懐かしくて、何もない空間にいるような孤独感を感じます。このままでいいのかと頻繁に自問しますが、答えが見つかりません。きっと、そう簡単にぬぐえない罪と悲しみを背負いながら生きていくのかもしれませんね。[/member]