【投稿者:そら(仮名)/20代・女性・岩手県】
数年前、私は長年積もり積もってきたストレスと疲労で身体が蝕まれていることに気づかずに過ごしていました。仕事と家庭の両立に追われ、毎日がただただ忙しく過ぎる中で、自分の健康状態に注意を払う余裕すらなかったのです。何となく調子が悪いと感じつつも、「そのうち良くなるだろう」と思って過ごしていました。
ある日、会社の年に一度の健康診断がありました。いつも通りの手続きをこなし、さして重要視していなかったそ
[member]の診断が、私の生活を一変させました。結果通知が送られてきた封筒を開いたとき、そこには信じがたい言葉が並んでいました。「要精密検査」。心臓が止まりそうになるほど驚きました。それが何を意味するのか、私はまだ理解できずにいましたが、何もなければ「要精密検査」などという文言は書かれないはずですよね。
その日の夜、眠れずに考え込んでいました。どうしてこんなことになってしまったのか。健康には自信があったつもりでした。なのに、一体どの瞬間から私の身体は裏切り始めたのでしょうか。この時から、私は健康診断が「命を蝕む静かな侵略」の始まりであったと感じるようになったのです。
後日、病院での精密検査を受けることになりました。診察室で待つ時間は永遠とも思えるほど長く感じられ、不安が募りました。そして、ドクターが話し始めると、現実の厳しさが容赦なく私に降り掛かってきました。「治療が必要です」と冷静に告げられたその言葉に頭が真っ白になりました。自分の生活がこれからどう変わっていくのか、どうしてこれほどまでに自分の人生が脆いのか、考えるまでもなく涙が溢れました。
頭の中には、果てしない不安と恐怖、そして無力感が渦巻いていました。家族にはどう説明しよう、これから何が起こるのか、一体どうすればいいのか。そのときの私はただ、その事実を噛みしめて泣くことしかできなかったのです。自分がなすすべもなく、小さな存在であることを痛感しました。
家に帰った後、家族に結果を伝えました。みんなが驚きと悲しみを隠せませんでしたが、それでも必死に私を支えてくれました。けれど、そのとき私の心は既に「命を蝕む静かな侵略」にむしばまれていて、どうしようもなく悲しい現実を直視することしかできませんでした。
友人に相談したくてもどう話していいのかわからず、自分の中に閉じこもるばかりの日々が続きました。希望も見えず、ただただ時間だけが過ぎていきました。そして何よりも辛かったのは、自分が弱いと認めざるを得ない現実でした。強くあるべきだと思っていた自分が、あまりにも簡単に崩れ去ったことが、何よりも悲しくて、悔しくてたまりませんでした。
結局、治療を始めざるを得ませんでしたが、やはり以前のように家族と笑い合うことも、趣味を楽しむこともままならず、何もかも変わってしまいました。生活のすべてが色を失ってしまったかのようです。誰かに話したところで、同じ経験をした人にしかわからない痛みなのだとわかっています。それでも、私は現実を受け入れざるを得ません。
生きることの儚さを初めて真剣に考えたのはこの時でした。そして、何よりも大切だと思っていた日常が、何らかのかたちで戻ってくるのかもわからない現状にただただ悲しみ、ときに絶望しています。それでも明日はやってきます。果たして自分は何かを取り戻せるのか、果てしない問いが泉のように沸き続けますが、答えが見えることはないでしょう。
以上が、私の経験です。ただただ悲しみに浸るしかできない。しかし、それが私にとっての真実であり、現実なのです。そして、ここで終わりです。[/member]