【投稿者:光(ひかる)(仮名)/30代・女性・富山県】
私は幼い頃から「完璧であること」が求められてきました。常に期待される成績、笑顔で従う家族のルール、そして、誰もが羨むような人生を見せ続けること。それが私の生活のすべてでした。
高校生の頃、私は皆がイメージする「完璧な生徒」の一人でした。成績は常にトップクラス、部活動では優勝をもたらし、生徒会でも活躍していました。表面的には何不自由ない生活だったけれど、心の中では常にプレッシャーと孤独がのしかかっ
[member]ていました。誰にも本当の自分を見せられず、いつも笑顔でいることに必死でした。
その中でも一番辛かったのは、親からの期待でした。私は親にとって誇りでなければならず、それが重荷となって心を圧迫していました。彼らの望む「良い娘」であるために、本音を隠し、言われるがままに振る舞う毎日だったのです。心の中では泣き叫んでいましたが、誰にもその声は届きません。自分の感情を押し殺すことに慣れてきた私は、次第に心を閉ざしていきました。
大学へ進学し、親元を離れた時、私は一時的な解放感を味わいました。しかし、本質的な孤独感は消えることなく、むしろ深まりました。新しい環境での人間関係や、将来への不安が私の心をますます囚えるようになったのです。誰にも頼れない、誰にも弱さを見せられないそんな状況で、私は一人で戦うしかありませんでした。
ある日、どうにもならない不安と孤独感に襲われ、泣き崩れました。それでも翌日には何事もなかったかのように振る舞いました。本当は誰かに助けを求めたかったのに、完璧である自分を崩したくないという恐怖から一歩踏み出すことができませんでした。この「心の檻」から抜け出す道を探せずにいました。
常に笑顔で接する私を見て、友人たちは「あなたって本当に強いよね」と言います。その言葉が、私の心をさらに引き裂きます。強くなんてないのに、弱さを見せることができない。ただ、認められることだけが自分の価値だと信じ込んでいた私には、その一言がまるで皮肉のように響きました。
大人になるにつれ、責任と期待はさらに増していきます。私は社会においても優秀さを求められ、ますます心を固く閉ざすようになりました。周囲は優しい人々ばかりなのに、その優しさすら信じられず、心を開くことができません。もはや誰にも、本当の自分を見せる勇気がないのです。声を上げても届かない、そんな孤独に耐える日々が続くだけでした。
この苦しい状況から抜け出したいという思いはありますが、それに対する恐怖が私を縛りつけています。どれだけ頑張っても、心の底から満たされることはなく、ただただ毎日が過ぎ去っていくばかりです。そして、私は今日も「完璧な自分」を演じ続けます。本当の自分を受け入れることができないまま、結局、心の檻に囚われたままでいるのです。[/member]