「彼が裏に隠した秘密: 愛の裏切りが招いた心の奈落」

【投稿者:あおば(仮名)/50代・男性・福島県】

彼と出会ったのは大学のサークル活動だった。わたしは人見知りで、サークルに参加すること自体躊躇していたんだけれど、無理やり友人に引っ張られて行ったのがきっかけだった。彼は明るく、語るのがうまく、すぐに多くの人々の輪の中心にいた。そんな彼に自然と惹かれて、気がつけば彼といる時間が増え、友人以上の感情を抱くようになっていた。

彼は不思議な魅力を持っていて、周りの人もそれに気づいていることは知っていた。
[member]でも、彼が特別にわたしを見てくれていると思っていた。彼が私にとっては最初の恋人だったし、すべてが新鮮で楽しかった。しかし、そんな幸せは長くは続かなかった。

最初の不信感の影は小さかった。突然、彼がスマホを見せないようになった。頻繁に誰かとメッセージをやりとりしている。気になって問いただしてみたが、彼は「ただの友達だよ」と笑ってはぐらかすだけだった。そんな時、私の友人から「彼、他の子といい感じらしいよ」という話を聞かされた。

信じられなかった。そのまま問い詰めもせず、その噂を信じないふりをして、心のどこかで彼を信じていたのだと思う。でも、疑念は募るばかりだった。彼と過ごす時間も減り、彼の態度も冷たくなっていった。自分の中で積み重ねた不信の壁は、次第に高くなっていった。

ある日、ふとしたきっかけで彼のスマホを手にすることができた。不安と恐怖で指先が震えていた。メッセージアプリを開くと、そこには確かに、他の女性との親密なやりとりがあった。

その場で頭が真っ白になった。怒りと悲しみと、何とも言えない虚無感に襲われた。「どうして?」心の中で何度も繰り返した。こんな形で裏切られるなんて思いもしなかった。大好きだった彼が、私を、私たちの関係を欺いていたのだ。

精一杯の勇気を振り絞り、その日のうちに彼に問いただした。彼は言い訳することもなく、それが事実であることを認めた。ただ一言、「ごめん」と頭を下げただけ。彼のその軽さに怒りが再び沸き起こった。

なぜ、なぜ、どうして私を裏切ったのか。何が足りなかったのか。自問自答する日々が続いた。別れようという言葉を口にすることなく、私たちは自然に距離を置くようになった。友人たちは励ましてくれるし、新しい出会いもあったけど、あの時の心の傷は簡単には癒えない。

信じたものがすべて崩れ去る体験を初めてした。そして今でも、私はあの日々の影を引きずっている。新しい恋愛に向き合うことが怖く、次の一歩をなかなか踏み出せない。誰かを信じることの難しさを痛感している。

今でもふと思い出す。彼との楽しかった日々も、裏切られたあの日も。心の奥底に残った傷は消えない。新しいスタートを切ることができず、ただただ記憶の海であの日々を漂っている。

未来が少し見えない。歩みを止めてしまった自分がいて、それだけが悲しい。努力しても追いつけないような心の中の喪失感、それだけがただただ心に残っている。[/member]

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