【投稿者:アオイ(仮名)/30代・女性・奈良県】
私は、生まれてからずっと普通の生活を送ってきた。日常の中の小さな不調も、誰にでもあることだと思いこみ、気にすることなく過ごしていた。それが大きな病気の前兆だったことを知ったのは、つい最近のこと。私の人生は、あの時から少しずつ色を失っていった。
ある日、会社の健康診断でいつものように血液検査を受けた。その日は普通の日常だったけれど、翌週には医者から呼び出しの連絡が入った。「精密検査が必要です」と言
[member]われたとき、軽い恐怖は感じたが、それでもどこか他人事のように受け流していた。
精密検査の結果を聞くため病院に行った日のことを、今でも鮮明に覚えている。医者は私を静かに見つめ、「何らかの自己免疫疾患の疑いがあります。このまま治療を始めないと、身体への影響が大きいでしょう」と告げた。その瞬間、耳鳴りがして、あたりの音が遠のいていくような感覚に襲われた。理解が追いつかない。どうして私がそんな病気に?理由も原因もわからないまま、ただ急な現実に戸惑うばかりだった。
それからの生活はまるで霧の中を彷徨っているようだった。薬を飲む必要がある、と言われて薬を渡された。それも一種類ではなく、複数の薬を毎日決まった時間に飲むように指示された。朝、昼、夜と、薬に追われる日常。その都度、薬を手に取ることで病気と向き合わされる気がして、とてもつらかった。
症状も日に日に悪化していった。朝起きると、猛烈な倦怠感で体を起こすのが億劫で、仕事に行く気力さえ失っていた。指先の痺れや、お腹の張り、そして周囲には見えない、でも確実に存在する痛み。誰かに話しても、結局のところ「頑張って」「気のせいかも」と言われるだけで、共感を得ることはできなかった。
職場でも徐々に休みがちになり、周りの視線が怖かった。どんなに説明しても、見た目は普通だから、「本当に病気なの?」という疑いの目を向けられる。それが耐えられなくて、友達にも会えなくなって、一人でいることが多くなった。
私の心の中では、いつも叫び声が聞こえていた。なぜ自分がこんな目に遭わなくてはいけないのか、わからなくて苦しくて、泣くことしかできなかった。未来が漠然とした不安で満たされている。治る保証もないこの病気と、どうやって生きていけばいいのか、答えが見つからないまま時間だけが過ぎていった。
本当にただ、普通の生活を送りたかっただけ。特別な幸せを願ったわけではない。何もかもが変わってしまった現実を受け入れられず、ただただ悲しい。毎日が闘いだ。自分を奮い立たせる気力も徐々に奪われていく。
あれから数ヶ月が過ぎた今も、病気と向き合っている。その日、その日をどうにか乗り越えているけれど、明るい未来を描くことはまだできないでいる。ただただ、目に見えないこの病とともに生きるしか方法がない現実を、いつになったら受け入れられるのだろうか。明日もまた、薬を飲んで、虚ろな日常を過ごすことになる。気力が尽きそうな毎日。この状況が変わることはないのかもしれない。どうしようもない無力感だけが、私を支配している現実だ。[/member]